【ボックスオフィスダービー】アカデミー賞発表記念「興行成績で見る最優秀作品」
今年のアカデミー賞最優秀作品賞に輝いた『バードマン』、現在のトータル興収は3,770万ドルでランキング最高位も9位どまりなのですが、オスカー受賞を受け来週以降の拡大再公開とTOP10への返り咲きが期待されます。
そこで今回は、近年の最優秀作品賞受賞作をボックスオフィスと共に振り返ってみましょう。
①『それでも夜は明ける』(2013年度) トータル成績 5,660万ドル
昨年度の作品賞に輝いたのは実録路線の奴隷制映画。マイケル・ファスベンダーの嫌〜なねちっこさとヘタレっぷりが恐くて哀しい。
②『アルゴ』(2012年度) トータル成績 1億3,600万ドル
男泣き傑作『ザ・タウン』に続きベン・アフレックが監督を手がけた70年代リスペクトの実録スリラー。娯楽映画としての満足度も大変高く、国内外で大ヒットを記録。
③『アーティスト』(2011年度) トータル成績 4,460万ドル
仏映画で白黒サイレントという異色のスタイルながら、ハリウッド黄金期に活躍したスターの栄枯盛衰を描いて批評家から大絶賛された。らしいが俺は好かん。
④『英国王のスピーチ』(2010年度) トータル成績 1億3,870万ドル
そういえば未見だこの映画。
ヘレナ・ボナム・カーターは『アリス・イン・ワンダーランド』の虐殺女王に次いでの王妃役。この高低差。
⑤『ハート・ロッカー』(2009年度) トータル成績 1,700万ドル
アメリカン・スナイパーの5年前に描かれていたイラク戦争の凄惨で過酷で狂気的な現実。男気女流監督キャスリン・ビグローは次作『ゼロ・ダーク・サーティ』ではビンラディン暗殺を描いており、渡辺文樹ばりに一本筋の通った作家さんだ。
オスカー受賞作といえども興行成績にはばらつきが見受けられ、今年度の『6才のボク〜』の様に発表の半年以上前に公開が終了してしまっている作品の場合は再公開による増益も見込めません。
オスカーは各配給会社にとってビッグビジネスそのもの。有力候補作の公開が毎年秋〜冬にかけて集中するのもそうした狙いがあるのです。
果たして『バードマン』は来週どこまで順位を伸ばせるか要注目です!
(続く)